こんにちは!
今回は150年以上前に日本で作られた絵画や、仏像、陶芸などを現代の作家さんたちの作品と組み合わせて展示するという、大胆にしてユニークな企画の展覧会に行きます。考えた人すごい。
横尾忠則さんやしりあがり寿さんが出展されていますね。
どんな世界が見れるのかな?
行く前にやっておくこと
会場や期間は?
古典×現代2020―時空を超える日本のアート
会期変更:2020年6月24日(水)~8月24日(月)
毎週火曜日休館
国立新美術館 企画展示室2E
開館時間:10:00~18:00
※毎週金・土曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
チケットの予約や取り方は?料金の詳細
オンラインでの予約が必要。手数料は無料です。すんなり取れました!
ネットから日にちと時間を指定して、カード決済です。
料 金:一般 1,700円
大学生 1,100円
高校生 700円
当日の会場レビュー
千代田線乃木坂駅で美術館直結の6番出口から行きました。お昼時ですごい日差しだったので外に出なくてすんで嬉しい。地下を歩くと、美術館の方がいらして、検温コーナーがありました!
手首で体温を計られます。
地上に出て、美術館に入り、スマホのウェブチケットでスムーズに入場。
会場は鴻池朋子さんの部屋のみ、撮影可能スポットがあります。他は撮影禁止です。
たまちく的「古典×現代2020―時空を超える日本のアート」見どころ紹介
絵画や仏像、彫刻などを8人の現代作家とペアにして展示するという、なんと大胆な企画!と盛り上がった展示会です。
おお、円空さんが見れるのね。仙厓も。現代の作家とのコラボ…。
ペアにして展示するとのことですが、どんな風に古典と現代の作品を関係させていくの?
会場は、禅僧仙厓と、美術家の菅 木志雄(すがきしお)さんの哲学的な空間から展開して行きます。
鴻池朋子さん(こうのいけ ともこ)の生き物の皮を使った皮緞帳と、その柔らかな皮を「切り裂く」武器や道具の役目を果たす刀剣の世界には、生きていることの深い意味を感じます。
見どころ① まっすぐに伸びる木の彫刻の美しさ
円空仏と棚田康司(たなだ こうじ)さんの彫刻。
民衆のために、一木造りで仏様を掘り続けた江戸時代の僧・円空。そして棚田さんの彫刻も一木造りなのですね。
学生の頃に、飛騨高山に円空さんの彫刻を見に行ったことがあるのですが、その時以来の円空さん。
と思って個人的な思い入れで楽しみにしていたのですが、行ってみたら棚田さんの彫刻がすごくよかったです。
トーテムポールのように力強く立っている円空仏に対し、同じ木の彫刻でもすらりと伸びやかで柔らかなかたち。
物言いたげで悲しげな表情は木工だということを忘れてしまいそう。
生きてるみたいだなと感じました。美しい空間でした。
見どころ② 鎌倉時代の仏像と、祈りの光
鎌倉時代に作られたという、日光菩薩と月光菩薩。滋賀県の西明寺にあるそうです。
建築家の田根剛(たね つよし)さんの空間は祈りのお経と、光と闇で作られていました。
手前のブースからもお経の響きがうっすらと聞こえてくるのですが、カーテンで区切られていて、係りの方がそっとめくりながら、「真っ暗になる時があるので気をつけてください。」と注意をしてくれます。
私が入った瞬間は光が小さくなってうっすらと仏様が見えるくらいの時でした。
暗闇の中でお経の声が響き、光が、ゆらゆらと弱くなったり、強くながら金色の2体の仏様を照らしています。シンプルな暗闇が、完全に外の空間から遮断されて、仏像と自分だけの空間。別の世界に連れていかれたよう。
光と闇に照らされた仏像は角度によって表情が全然違います。
正面からお顔を見上げると、こちらを見返されて、思わず祈りを捧げました。
2体の仏像を主役に素晴らしい空間と、どんどん大きくなる念仏のグルーブ感に酔いしれていると、クラクラして、立ったまま眠りそうになりました。ああすごかった!ゾワっと感動。
見どころ③ 可愛いテキスタイルデザインとアンティーク食器かと…!
陶工・尾形乾山と、「ミナ ペルホネン」デザイナーの皆川明さんの相乗効果。
ブースに入ると一気に可愛らしい空間。布の柔らかさや柄やテクスチャーと、骨董陶器の素材感や絵付けなど、テキスタイルと工房で作っているであろう陶器はとても通じるものがあると思います。生活に使用できるデザインされたもの。ミナ ペルホネンの展開している服の可愛らしさ。ハギレの中に展示された観山の陶器がものすごく可愛い。本当に東欧のアンティーク食器に見えてくるのです。きっと単体でも可愛いに違いないのですが、相乗効果がすごい。乾山の作品も兄の尾形光琳とのコラボされていて、時代を超えたアートデザインの融合と感じました。欲しいなー。
見終わってからの感想
イマイチかみ合わなくて悲しくなったらどうしよう。なんて余計な心配をしたのですが、
結果、全然悲しくなりませんでした。驚きと発見の魅力的な展示でした。
まず古典ありきで、どう関係を作っていくかは作家さんが考えられたのでしょうか。
一つの部屋を展示スペースに、全く関わりかたの違うそれぞれの世界が出来上がっていました。
書ききれないのですが、どの展示も一つの空間がペアで成り立っていて、作品の魅力、すごさが増幅されていたと感じます。
この企画を打ち出すというのはすごく挑戦的だと思うのですが、芸術家の力が反応しあって、どちらも想像以上に魅力が増幅されるという新しい世界を見せてもらえました。
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