石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 印象派の女性画家たち

メアリー・カサット アート・美術
メアリー・カサット
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こんにちは!
今回はリニューアルオープンした、アーティゾン美術館の4階展示室、「石橋財団コレクション選」。有名な絵がすごくたくさんあるんだよね〜という印象でしたが、2,800点余りの収蔵品の中から選んでいるそうです。そんなにたくさん!誰もが知ってるような名画が見られること間違いなし。
第1回は「新収蔵作品特別展⽰:パウル・クレー」と「印象派の⼥性画家たち」を、同時開催です。
今回は「印象派の⼥性画家たち」について見ていきます。

行く前にやっておくこと

会場や期間は?

石橋財団コレクション選 特集コーナー展示
印象派の女性画家たち

6階 鴻池朋子ちゅうがえり
5階 「Cosmo-Eggs | 宇宙の卵」
4階 常設展 (新収蔵作品特別展示:パウル・クレー、印象派の女性画家たち)
会 期 : 2020年6月23日[火] – 10月25日[日] ※会期変更
休 館 日 : 月曜日 (8月10日、9月21日は開館)、8月11日、9月23日
開館時間 : 10:00 – 18:00*入館は閉館の 30 分前まで
会場:アーティゾン美術館4階展示室 石橋財団コレクション選 特集コーナー展示

チケットの予約や取り方、料金の詳細

4階の常設展(新収蔵作品特別展示:パウル・クレー、印象派の女性画家たちの他に
6階の鴻池朋子ちゅうがえりと5階の「Cosmo-Eggs | 宇宙の卵」が見れます。
どれも見応えたっぷり。とてもお得な感じ。
チケットはWeb予約しました。
Web予約は1,100円
当日券だと1,500円です。
けっこう値段が違います!ウェブ予約をおすすめします。

「印象派を代表する4人の女性画家たち」見どころ紹介

1952年(昭和27年)ブリヂストン美術館の開館から、コレクションの中心のひとつが印象派の絵画でしたが、今回あらたにコレクションに加えた(!)のが、印象派を代表する4人の女性画家たちによる5点の作品と、館蔵の関連作品8点、さらに同様に新しく収集された芸術家の肖像のヴィンテージ写真のコレクション6点もあわせて展示されています。
印象派の有名な絵が並ぶ会場に女性画家たちの絵のコーナーが設けられています。

印象派を代表する4人の女性画家とは?

ベルト・モリゾ、メアリー・カサット、マリー・ブラックモン、エヴァ・ゴンザレスとは?どんな女性たちなのかな。
名前は聞いたことがあっても、印象派とこの時代の女性画家っってどんな位置付けなんだろう?
あんまり意識したことがないので、どんな女性達だったのかざっくりと見てみます。

印象派の中の女性画家

印象派の中の女性画家

見どころ① 絵の自由度を求めていた印象派の画家たち

絵の自由度を求めていた印象派の画家たちは、ほとんど落選続きだった。1870年代から1880年代にかけて、当時のフランスの保守的なアカデミー美術展覧会「サロン・ド・パリ」に反発して、独立した展覧会を開催。この展覧会に参加していた画家たちを一般的に印象派という。この辺り教科書に載っていた気がします。
ちなみに、当時のアカデミアの入選基準は

決まった技法にこだわる
・技法は遠近法をきちんと取り入れる
・筆跡を残さず画面に凹凸がないことを良しとする
主題にも優劣をつける
・歴史や神話といった主題は崇高とされる
・景色や庶民を描いたものは下に見られる。
・最下位は静物画。
当然、絵の自由度を求めていた若手の画家たちとはサロンの評価基準は相容れません。そりゃそうだ!

そしてそんな当時、美術学校は女性を受け入れておらず、私塾でも女性はヌード・デッサンをさせてもらえなかった。
当時の良家の未婚の女性は一人で出歩くことも禁止されていた。
裕福な家庭では、教養の一環として絵や音楽を習うことが推奨されていた。
こんな時代みたいです。やはり女性は窮屈そうです。

見どころ② そんな時代の印象派の女性画家たち

メアリー・カサット(1844−1926)
ペンシルベニア州生まれ。裕福な家庭で育ち、教育に不可欠だとして世界中を旅行しながら育てられる。
プロの画家になろうと美術アカデミーで絵の勉強をはじめ、ヨーロッパに渡り、カミーユ・ピサロの下で絵を学んだ。
1872年、カサットがパリ・サロンに初めて絵を出品した際には、批評家たちに酷評される
1874年、カサットはドガと出会い、印象派の展覧会に参加
1886年まで、カサットは印象派の積極的なメンバーで、病気で印象派から離れた後も、ドガや女流画家のベルト・モリゾとは、ずっと友人のままだった。

メアリー・カサット

メアリー・カサット

ベルト・モリゾ(1841年−1895年)
マリー・ブラックモンやメアリー・カサットと並ぶ3大女性印象派画家の1人。
モリゾはフランスのブルージュで、豊かなブルジョア階級の家庭に生まれた。
ベルトと姉のエドマ・モリゾは二人とも画家の道を志した。モリゾが最初にサロン・ド・パリに参加したのは、1864年当時23歳のときで、2枚の風景画を展示した。
その後、1874年第1回印象派展の前年までサロンに出展し続けた。1877年に批評家から「印象派グループ内で本当の印象派の1人」として紹介される
マネの絵画のモデルとしても知られる。黒いベールの肖像画が有名。

ベルト・モリゾ

ベルト・モリゾ

マリー・ブラックモン(1840−1916) 
ブラックモンは、モリゾ、カサットと並び、3人の印象派女流画家の一人。
他の3人とは異なり、裕福ではなかった。
1857年にサロン・ド・パリに応募した作品はドミニク・アングルに認められ、パリに移り、アングルの弟子になった。
彼女はルーブルで模写をしている最中に版画家のフェリックス・ブラックモンに見初められ、その後結婚。1879年、初めての印象派にも出展。モネやドガなど印象派のメンバーと知り合い、マリーは名前を知られるようになる。
夫のフェリックスは横暴で、マリーの成功に嫉妬し、印象派と付き合うのを反対。マリーは自分の作品に対するフェリックスの態度に疲れ果てて絵を描くのをやめてしまう。

マリー・ブラックモン

マリー・ブラックモン

エヴァ・ゴンザレス(1849−1883)
女流印象派画家の4人目。ゴンザレスの家はスペインの名家で裕福。父方は有名な作家で、母はベルギー人音楽家。
エドゥアール・マネのただ一人の弟子。印象派展には1回も参加していないけれど、そのスタイルから印象派の一人に数えられている。出産時に34歳で死去。このかたは、印象派に数えられたり、数えられなかったりするようです。そしてやはり画家になる女子は裕福な家の出身なのですね〜。

エヴァ・ゴンザレス

エヴァ・ゴンザレス

見終わっての感想

女性画家による印象派の作品を、今まで特に女性のものと思って見たことがなかったのですが、今回、女性だから特別な扱いをされていた絵画とは感じず、みずみずしく魅力的で、時代の流れの中の印象派の作品と捉えられました。
新しい表現を求める印象派というグループが、古い体制に拮抗する存在だったこともあり、仲間の女性たちの作品は正当に評価されていたと感じます
ただ、この時代の女性のプライベートの窮屈さが、画家の制作時間を短いものにしてしまっているのが残念です。配偶者の邪魔が入るとか、悔しく、悲しい。でもこれって場合によっては今も同じ?
時代背景をもっと詳しく知りたくなりました。
常設展は他にも見応えのある素晴らしい作品がたくさんで、印象派を色々な角度からゆっくり味わえる展示でした。

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