井之脇海(いのわきかい)さん。
サスペンス映画や時代劇など幅広く役を演じている若手の俳優さんですね。
最近すごくお見かけします。
『ハルとアオのお弁当箱』(BSテレ東/毎週月曜24時)ではふんわりとした雰囲気で、ジェンダーレスの役を演じられ、女優の吉谷彩子さんとダブル主演を務めてらっしゃいます。
吉谷彩子さんとは大学の先輩後輩だそうです。
最近も出演映画「サイレントトーキョー」が公開されたり、宮藤官九郎さんのドラマ「俺の家の話」にキャスティングされていたり、作品が目白押しですね!
「俺の家の話」ではプロレスラー役!?10キロ以上増量されたそうですが、想像がつきません!
宮藤官九郎さんの世界の中で、どんな演技を見せてくれるのか?
一体どんな俳優さんなんでしょう?
役者キャリアは子役から
井之脇海
1995年生まれ。
神奈川県出身。
10歳から俳優活動を始める。
12歳で出演した映画『トウキョウソナタ』で複数の賞を受賞。
その後『義母と娘のブルース』(TBS)、NHK大河ドラマ『おんな城主直虎』など多数の話題作に出演。
現在、主演ドラマ『ハルとアオのお弁当箱』(BSテレビ東京)が放送中。
また公開待機映画に『砕け散るところを見せてあげる』など。
ドラマでは、2021年1月期『俺の家の話』レギュラー出演が決定している。
自身でも映画を撮っており、初めて監督・主演を務めた『3Words「言葉のいらない愛」』はカンヌ映画祭ショートフィルムコーナー部門にて入選を果たした。
出典:news.yahoo.co.jp
9歳の頃に、劇団に入られています。
理由がテレビに出たら親に注目してもらえると思ったからという、子供らしいものですね。
「劇団ひまわり」では演技のレッスン、基礎的なことから日本舞踊、ジャズダンス、タップダンスなどいろいろ学ばれているのですね。
役をもらえるようになって、役者になりたいと意識しだしたのが12歳。
『トウキョウソナタ』の役がきっかけですね。
それまで、ピアノを習っていて、休むために突き指をする計画までたてていたのに、演技でピアノを弾いたことでピアノに対する気持ちまで変わったそうです。
井之脇さんは横須賀の、社交的な子達が多い地域で育ったそう。
子供の頃は、よく喋る子で、誰とでもうまくいくようなタイプだったとか。
小学生の時には髪を金髪に染めていたそうです!意外!
理由は黄色い帽子をかぶるのが嫌で、髪を黄色に染めちゃえばいいと思ったから。
髪を染めている子も、クラスに2、3人はいたということです。
真面目そうな井之脇さんの意外とやんちゃな一面が見れますね。
大学で映画制作について勉強
大学には、12歳の時に「トウキョウソナタ」で共演した香川照之さんから、「大学は出ておいた方がいいぞ!」と言われて日本大学芸術学部に進学されています。
今までで一番心に残っているアドバイスかもとおっしゃってます。
香川さんは、きっと役者としての現実を知っている先輩として、当時12歳だった子役の井之脇さんの将来を気にかけてアドバイスされたのではと推察します。
そんな香川さんにはお芝居のなかで、思いっきり殴られたシーンがあって、恐いお父さんというイメージで、大人になっても会うとちょっと恐かったとか。
そして大学では映画学科演技コースを専攻されます。
俳優として演じる上で、「企画から製作、公開まで1本の映画がたどる全工程を知っておきたかった」という理由から、在学中に短編映画「言葉のいらない愛」(15年)を自主製作しています。
カンヌ国際映画祭のショートフィルムのマルシェ部門に正式出品されていますね。
資金調達もご自分でされているそうです。
「監督になりたいというより、映画が生まれるところから人に届けられるところまで、全部知りたいと言う欲求があった」
ということですが、すごくしっかりとした考えを持って進学に進められていて驚きます。
ご本人も理性というよりも理屈で動くタイプとおっしゃっていますが、子供の頃から培ったプロ意識を持った上で動かれているようです。
映画を多角的に勉強することが多かったです。
例えば、同じ映画を演技の面から、撮影の面から、そして美術やストーリーの面から見たり。
映画やドラマをいろんな視点から見られるようになりましたね。
学業もちゃんとやりたかったので、絶対大学は出たいって思っていて。
ちゃんと学校に行けたこと、大学を卒業できたことをすごく誇りに思ってるんです。
出典:https://voguegirl.jp/boys/boyfriend/
インタビューの中で、井之脇海という役者の1番の魅力、強みってなんだと思う?という質問に、
映像についての理解が圧倒的に同世代の役者よりも深いところ。そこは胸張って言える、自負できるところです。
と答えられていて、子役からのキャリアに、大学で多角的に映像を学ばれたことが自信となり、今の井之脇さんを作っているのだなと感じました。
ドラマ『ハルとアオのお弁当箱』では、井之脇さんが今まであまり向き合ってこなかったジェンダーの問題について悩みを抱えている役だったので、どうイメージを崩さずに演じられるか不安だったとおっしゃってます。
それをスタッフの皆さんと打ち合わせを重ね、アオさんの人物像をみんなで作り上げることで払拭していけたそうです。
「映画の作り方に理解をもつことで、いい作品作りに影響していると思う』
とおっしゃるように、演じるだけでなく、映画を作る側についても学んできた井之脇さんならではのアプローチかもしれませんね。
今回ダブル主演の吉谷彩子さんは初共演ですが、同じ大学を卒業した先輩・後輩という共通点があり、撮影中も大学の先生や授業の思い出話をしたり、距離を縮めることができたといいます。
井之脇さんは初対面では距離を作りやすいそうですが、学生時代に学んだことは、これからも色々な面から彼を助けてくれているのでしょうね。
根っからの映画好き
井之脇さんは、好きな映画に『ボンヌフの恋人』をあげていらっしゃいます。
その理由として、映画を好きになったのが17歳くらいと遅く、それまで日本の王道の映画を観てきていて、ミニシアターの存在もちゃんと認識していなかった。映画の表現の幅の広さを知った作品が『ボンヌフの恋人』だったとおっしゃってます。
高校生の頃にフランス映画の『ボンヌフの恋人』に感銘を受けるとは、さすがです。
出典:voguegirl.jp
井之脇さんは、コロナでまとまった時間があって、たくさん映画を見たときに、まず気に入った監督の映画を全部みて、そこで好きになった役者さんの映画を全部見るという見方をしたそうです。
全部好きなので外れはないとか。すごい見方ですね。
また、デートで映画に行くなら、席は別々で、終わってから30分は一人でいたいということですので、映画デートは難しいかなともおっしゃってます。
映画好きだったら映画の話ができるわけではないのですねー。やはりプロ。
同じ土俵でついていくのは大変そうです。
アカデミー賞受賞映画「パラサイト」のソン・ガンホさんとの対談も
アカデミー賞を受賞した映画「パラサイト」主演俳優の、ソン・ガンホさんと対談をされています。
大ベテランの韓国の大物俳優さんと、映画のお仕事をする役者さん同士、撮影の仕方や、映画のあり方について詳しくお話をされています。
井之脇さんは、俳優のお仕事を始めてから、「ソン・ガンホさんのお芝居を見たほうがいい」とお知り合いに勧められて見たというポン・ジュノ監督の過去の作品について、語りあっていらっしゃいます。
井之脇さんからの、同じ役者の演じ方の鋭い質問について、「質問が素晴らしい」と答えてくれているソン・ガンホさんもさすがです。
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演技が面白くて仕方ない!という俳優さんもいるでしょうが、私にとっては、やればやるほど難しいし、演じたくないと思ってしまうことすらあります。その理由を考えてみると、演技に対して自信がないからなのかなと。
井之脇さん
すごくわかります。僕は小学生のころに演技を始めたのですが、それまでは割と何でも器用にこなせるタイプだったのに、お芝居では納得いくものがぜんぜんできなくて。
だから「いつか満足のいく演技をしたい」と思うんですよね。逆に、満足したらだめなのかな、とも。
ソン・ガンホさん
お若いのに、本当に深くお考えですね。
出典:https://www.elle.com/jp/culture/movie-tv/
井之脇さんがリスペクトを持って質問され、ソン・ガンホさんが、若い井之脇さんに真摯に向き合って話されていて、暖かいお人柄を感じました。お二人ともすでに大変なキャリアの持ち主で、次元の高い話をされているのだな〜と感じられる、良い対談でした。
先輩で仲が良い神木隆之介さん
井之脇さんが小学生の頃に、中学1年だった神木さんとエキストラで一緒になったときに、学校のことを聞いたら、
『芸能やっているならうちの学校来いよ!』と軽い感じで誘ってくれたのですって。
普通の中学校へ進学する予定だったのが、進路を芸能系に変更して、神木さんと同じ中学へ進学し、そこからはもういまの関係になったそう。
「隆くんに対する信頼感は元々あったモノが大きいので、もう単純に現場にいてくれるだけで僕は気が楽です。まあ、隆くんが話しているようにそういった関係がもっともっと出たら良いなと思いますね」出典:https://i-voce.jp/feed/13386/
と、神木さんに対してとても信頼を寄せているようです。
神木さんも子役の頃から、役者としてキャリアを重ねている大先輩。
そんな関係を築けていけるってステキな2人ですね。
家族と登山
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海(かい)という名前は本名なのですね。
海が大好きなお母様が付けてくれた名前で、お様父は山が好きなので、
「もし、父が名前を付けてくれていたら“山”だったかもしれませんね」
登山が趣味で、雑誌で登山の連載も持たれている井之脇さん。
「日本百名山に登るのが今の目標です。休日ができたら登っているんですよ」
登山の魅力を教えてくれたのはお父様で、16歳のときにお父さまと登った富士山がひとつめの山だそうです。
お父様のことを尊敬しているという井之脇さん。
お父様はまだ50代でとてもお元気だそうです。
良好な親子関係が、井之脇さんの安定した人格を形作っていますね。
SNSはやらない
井之脇さんはプライベートでSNSをやらないそうです。
今の若者にしてはなかなかレアなのでは。
理由として、今みんないつでも繋がれると思っていて、会える時間を大切にしていないんじゃないかと思う。次にまた会えるとは限らないのにさよならをいう時もスマホから目線を離さないのはちょっとイヤだと。
大学での学びについても、同じ考えを持っているよう。
でもやっぱり、文面だけで読むんじゃなくて、そのことを経験してきた人や、学んできた人から何かを教わってみたかったんです。
読んだ文と同じ言葉をその先生が言っているとしても、その先生が経験してきた歴史だったり思いだったり、それを一緒に受け継ぐことができるなと思った。
とおっしゃっていて、その思慮深さ、意思の強さを感じます。
最後に
井之脇海さんを、映像作品でしか知らなかったのですが、こうしてみていくと、考えが確立しているというか、流されない強さを感じますね。
全ての行動や考えにしっかりした基盤があるようです。
これからどんどんすごい俳優さんになりそうです。
映画、ドラマと作品もたくさん。
これからを楽しみに応援したいです!
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