台湾の人々が「彼女の存在は私たちの希望」と称賛するオードリータン氏。
各薬局のマスク在庫量を、みんなが知ることができるアプリを導入し、在庫量は3分ごとに更新されるようにした。
このニュースで彼女の行ったコロナの対策を聞いた時には、なんと素晴らしい!
台湾がうらやましい〜。いやむしろアジアにこんな人がいるなんて誇らしい?と思ったものです。
初めて見た時は髪が長くて山下達郎の若い頃のよう…と思いましたが。
天才と言われる台湾のデジタル担当大臣オードリータン氏とはどんな人なの?
オードリー(唐鳳)氏の生い立ち
子育てを手伝っていたお祖母様によるとオードリー氏の幼少期の件。
マンガのようで信じられないほどですが、でも世界には天才という人がいるんですね。
●1歳2ヵ月で歩き
●1歳半で一度聴いた曲の歌詞を全て覚えて歌ってしまう
●3歳頃には百科事典を全て覚えてしまうほど、記憶力に優れていた
オードリーさんは、なんどもいじめにあいながらも、中学生の時にはもうアメリカの大学教授たちとインターネットを通じて直接やりとりをしていました。
彼女はそのメールのやりとりを中学の校長に見せて、もう学校に行かないという選択をします。
当時の台湾では義務教育の中学に通わないと、罰金を科せられる制度があったそうです。
その時の校長は、監査が入ったときに、オードリーさんが学校に来ていることにして、責任を負ってくれたのだそうです。
ですから、私は官僚制のフレキシブルさを、いつも強く信じています
この校長先生がまたすごい人ですよね。
自分が責任を問われてしまうかもしれないのに、生徒の希望を尊重してくれて、大きな決断を認めてくれる。
こんな方、そうそういないのでは?
教育者として、理想の人物像を想像します。
性別は無し 世界初の閣僚
オードリータン氏はトランスジェンダーとして世界初の閣僚と言われています。
ご本人によれば、「性別なし」
20歳のころに男性ホルモンの濃度を検査して、だいたい男女の中間くらいだと分かったときに、トランスジェンダーだと自覚を持ったそうです。
オードリータン氏の両親は『男性はこう、女性はこうあるべき』という教育をしなかったのと、12歳のころに出合ったインターネットの世界でも、性別について名乗る必要も聞かれることもなかったため、性別に関して特定の認識がなかったそう。
10代で男性の、20代で女性の思春期も経験。
自分が男性か女性のどちらかに属する存在だとは思っていないということです。
●トランスジェンダーは、すべての立場に寄り添えるというよさもある
●みんなが少しトランスジェンダーになってみたらいいのではないか
本当に、世の中には、限りなく男性に近い女性や、女性に近い男性など実はいろんな人がいるというのに、なかなか寛容な世の中にならないですね。
個人の意識の問題なのでしょうか?
台湾では、さまざまなジェンダーや性的指向の人々を積極的に支援する施策を取っていて、現在の台湾議会では女性議員の割合が40%を超えているそうです…!!
そして、新しく建設された建物には、4種類のトイレが標準装備されていそうです!
●ジェンダーニュートラルなトイレ
●女性用トイレ
●男性用トイレ
他にも、カミングアウトや個人的な経験など、従来のジェンダー概念から自由になっていくための様々な施策をされています。
すごいですね〜!
実行できている例をみせてもらうと、ハードルが下がっていくような気がします。
見習いたいところばかり。
オードリー氏の起用
オードリー氏は2016年8月に台湾行政院政務委員に就任されています。
2016年5月、政府はオードリーさんにデジタル担当大臣を就任依頼します。
すでに「ひまわり学生運動」での民主化運動での活動や、入閣前の2015年の台湾の教育庁での「学習指導要領の大改訂」の透明化など、大きな活躍をしていました。
就任依頼をされたその時にオードリーさんが3つの条件を出しました。
●出席するすべての会議、イベント、メディア、納税者とのやりとりは、録音や録画をして公開すること。
●誰かに命じることも命じられることもなく、フラットな立場からアドバイスを行うこと。
この条件、日本での毎日のニュースを見ていると、日本の政府だったらとても受け入れられないだろうと感じられますが、院長はすぐに『問題ないですよ』とおっしゃったそうです。
この条件を問題ないと受け入れられる政府って…!!
人間としてのその懐の深さ、公平さにも圧倒されます。
オードリーさんは入閣時、「公僕の中の公僕になる」と宣言されていて、それは特定団体の利益のために動いたり、インターネット上で政令を広めたりすることではなく、一つの「パイプ」になるという意味なのだそうです。
水曜に開放されるオープンオフィス
オードリー氏は、史上初、自らのオフィスをオープンスペースにして、誰もが来られるようにした大臣と言われています。
彼女のオフィスは、毎週水曜に一般開放(インターネット予約制)されていて、誰でも彼女に会いに行けるようになっているそうです!
出典:https://www.vogue.co.jp/change/article/the-visionaries-audrey-tang
オードリータン氏は、行政をつなげ、人々から出てきたアイデアを実現する手助けをするのが仕事だとおっしゃいます。
皆で分担して問題を解決するためにオープンな環境を作っているのですね。
本当に、会って話をしてくれるなんて。
日本人の小学生の女の子とのトランスジェンダーについての対談もかなっていますね。
色々なことを質問したい人がたくさんいることでしょう。
まとめ
連日、日本のおじさんたちのジェンダーギャップの思った以上の大きさに、失望するより唖然としてしまう日々。
ただ、年配の方の発言がやたらと注目されていますが、年代だけの問題ではない気がします。
オードリータン氏ももちろんですが、台湾の政府や社会が、彼女を受け入れ、活かすことができるキャパシティを持っていることに感動します。
日本にいつかオードリータン氏のような天才の若者が現れたとして、その考えやあり方を受け入れることができるのでしょうか?
彼女の本がたくさん出ていますので、読んでみたいと思います。
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